東日本大震災にあてて

音声しか残っていません。

写真すら一枚もない。

東日本大震災のあの日、

私は歌っていました。

先日、当初は７月に初公演を予定していたテアトロ楽団の、

旗揚げ公演がありました。

急遽お話が舞い込み、奇しくも３月に船出を迎えることとなりました。

復興への祈りが込められました。

たくさんの素晴らしいメンバーの集中力と努力で、

お客さんと共に、最高のステージを創り上げることができました。

魂は永遠と聞いたことがあります。

肉体が有限なのだと。

あの日、何もかもが失われてしまった場所。

なぜ　あの場所だったのかと、考えてもキリがない。

あの場所で残ったものは、命と、わずかなものだった。

なぜ生きて、なぜ死んだのか、

時折しか考えもしなかったことが頭を支配し続けた。

日本は、変わった。

それは世界にも波及した。

準備が出来ていた人など一人もいない。

それでもそこに、地面があり、踏みしめる足があり、

想いを交わす仲間がいて、新たな命が生まれた。

流す涙と、笑い声が、人々を勇気づけて、

なにもないのに、助け合えた。

生きてさえいれば、

どんなにどん底でも、

いつかは光がさす。

つらいつらいつらいことにも、

日の光は当たり続けている。

私の力など、ほんのわずかだけど、

共に歩き、光を信じ続けることはできる。

今日がまた、素晴らしい日となりますように。